霊山十和田の信仰
風光明媚な自然の景勝地として北東北を代表する観光地である十和田湖。しかし、この十和田湖がカミの住む山として北東北一帯から人々の信仰を集めていたことを知る人は多くはありません。
十和田湖はかつて神仏習合(しんぶつしゅうごう)の神「十和田青龍権現」が住むと信じられ、各地からあらゆる願い事をもった参詣者や、聖なる力を得ようと修行する修験道の行者が訪れる場所でした。
その聖域はカミの住む十和田湖を中心に、それを取り囲む外輪山の山々全体であり、その聖域を総称して我々は「霊山十和田」と呼んでいます。
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⇒遊部屋十和田「霊山十和田・十和田古道の基礎」
十和田湖伝説
十和田湖伝説とは十和田湖のカミ「十和田青龍権現」がこの地に至るまでを物語として伝えた十和田湖の龍神様の”ご縁起”で、現在までもこの地域に伝えられている物語です。
よく耳にし、地域で語られる十和田湖伝説(現説十和田湖伝説)は、マタギの青年「八之太郎(または八郎太郎)」と後に「十和田青龍権現」に生まれ変わる「南祖坊」の二人の主人公で描かれる物語です。
しかし、十和田湖伝説は過去にわたって様々な姿で語られており、現在一般的に語られる十和田湖伝説は、時代と共に生まれ変わった本来のご縁起とは少し違う物語なのです。
それでは、本来の十和田湖伝説はどんな姿だったのでしょうか。現在残っている十和田湖伝説の中で、最古の伝説からその姿を探ってみましょう。現存最古の伝説は室町時代に滋賀の僧により、日本・中国・インドの三国の伝説をまとめた説話集「三国伝記」に残されている「釈難蔵不生不滅得事」という説話です。詳しくは十和田湖伝説の伝え方を考える会による現代語訳の音読動画をご覧ください。
現説十和田湖伝説
現存最古の十和田湖伝説